MAKEAI JOURNAL / ノウハウ
検索意図の調べ方|分析から記事設計書を作る手順と記入例

記事を書く前に、検索する人の状況、知りたいこと、読み終えた後にできることを一つずつ決めます。そのうえで、答える範囲、必要な根拠、次に案内するページを設計書へまとめます。キーワードを集めるだけでは、記事の役割は決まりません。
同じ「AI議事録」という言葉でも、意味を知りたい人、作り方を知りたい人、失敗を直したい人、導入を相談したい人がいます。これらをすべて一つの記事で詳しく扱うと、読者が必要な答えまでたどり着きにくくなります。
この記事では、執筆前に使う記事設計書の作り方を説明します。検索順位を保証する手法ではなく、読者の疑問と本文の答えを揃えるための編集手順です。カニバリの定期監査や見出しの細かな作り方は別のテーマとし、一本の記事の目的を決めることに絞ります。
検索意図の調べ方:検索結果と読者の状況を照合する
検索意図とは、その言葉で検索した人が達成しようとしている目的です。検索語だけから決めつけず、検索結果に並ぶページの種類と、顧客から寄せられる具体的な疑問を照合します。
- 検索条件を記録する:対象の検索語、国・言語、確認日を残す。検索結果は変わるため、確認した時点の観測として扱います。
- 上位の自然検索ページを読む:広告やAIの回答欄を区別し、製品ページ、比較記事、操作手順、用語解説のどれが多いか記録する。見出しだけでなく、本文が何を解決しているか確認します。
- 読む前と後を一文にする:「議事録作成に時間がかかっている担当者が、入力と確認の流れを決められる」のように書く。検索結果の傾向と合わなければ、狙う語か記事の範囲を見直します。
- 自社が追加できる材料を決める:入力例、確認表、検証記録などを選ぶ。根拠がない効果や、実施していない導入事例は加えません。
Ahrefsなどの検索データは、候補の優先順位を考える材料です。検索数や難易度の数値だけで、その記事の上位表示や問い合わせを予測できるわけではありません。
分析記録の例:同じ議事録でも、目的を分ける
| 読者の疑問 | 必要な答え | 記事の主役 |
|---|---|---|
| どう作ればよいか | 材料・手順・確認事項 | 入力から共有までの工程 |
| どれを契約すべきか | 条件を揃えた機能・料金・利用制限の比較 | 選択肢と判断基準 |
| 社内でどう運用するか | 担当・承認・例外対応 | 業務への組み込み方 |
これは分析の書き方を示す編集例です。特定の検索語について、現在の検索者全員の意図を断定するものではありません。実際の記事は、検索結果の観測と顧客の課題を確認して設計します。
Googleも、検索エンジン向けの言い換えだけでなく、読者に役立つ独自の情報や分析を重視する考え方を示しています。Googleのコンテンツ作成ガイドを、記事の追加価値を確認する際の基準にできます。
検索意図を「今、何をしようとしているか」で書く
検索意図を「情報収集」とだけ記録しても、どこまで答えればよいか分かりません。「会議後の記録作成を減らしたい担当者が、AIに任せる工程と確認方法を知りたい」のように、状況と行動へ置き換えます。
検索データだけでは確かめられない部分は、仮説として残します。実際の問い合わせ、営業で聞かれる質問、資料を読む担当者の反応などと照らして、目的の設定を見直します。調査時点の検索ボリュームは優先順位の材料になりますが、読者の疑問をすべて説明するものではありません。
似た言葉でも、記事が受け持つ役割を分ける
| 読者の疑問 | ページの役割 | 読み終えた後の状態 |
|---|---|---|
| AIで議事録をどう作るか | 作成工程の実務記事 | 入力・下書き・確認・共有の流れを決められる |
| 発言者が混ざるときどう直すか | 特定の失敗を解決する記事 | 問題箇所を見つけて修正方法を選べる |
| 自社への導入を頼めるか | サービスページ | 支援範囲を理解し、相談を判断できる |
これはMakeAIが説明用に作成した役割分担の例です。単語が共通しているから必ず別記事にすべき、という意味ではありません。同じ答えで解決する疑問なら、ページを増やさず一つへまとめるほうが整理しやすくなります。
設計書は、6つの欄にまとめる
- 対象読者と状況:誰が、どの仕事で困っているか。
- 主な疑問:この記事で答える質問を一文にする。
- 読後の到達点:何を判断・実行できれば役立ったと言えるか。
- 扱う範囲と扱わない範囲:隣の記事と境界を決める。
- 必要な材料:根拠資料、入力例、比較表、確認手順を揃える。
- 次の案内:関連記事、資料、相談のうち、読者に必要なものを選ぶ。
設計書の段階で材料が足りないなら、本文を長くして補うのではなく、示せる範囲へ絞ります。例えば、実測した成果がない場合は、仮想の入出力例や検証方法を示せます。仮想例を実績のように見せる必要はありません。
仮想例:議事録の記事設計書
対象読者:社内定例会議の記録を担当する人。 主な疑問:AIを使って議事録を作るとき、何を任せ、何を確認すればよいか。 読後の到達点:一種類の会議で試す工程と確認者を決められる。 扱う範囲:文字起こし、議題整理、決定・タスク抽出、確認、共有。 扱わない範囲:製品の最新比較、料金一覧、全社導入の契約条件。 材料:仮想会議メモ、指示文、決定と未確定を分ける表、確認リスト。 次の案内:実測用の資料。業務設計が必要なら導入支援の相談。
この設計なら、見出しや事例を追加する際にも、読者の到達点に必要かを判断できます。関連しそうな情報をすべて足す必要がなくなります。
AIに構成案を頼むときは、設計書を先に渡す
次の記事設計書を基に、構成案を作ってください。 [確認済みの記事設計書] 出力: ・冒頭で答える結論 ・各見出しで解決する読者の疑問 ・その回答に必要な根拠や具体例 ・材料が足りない箇所 ・他のページへ案内すべき論点 条件: 設計書の範囲を勝手に広げないでください。 検索数、順位、事例の成果を作らないでください。 読者の疑問に答えない見出しは追加しないでください。
AIから構成案が出たら、見出しの数より、疑問に対する答えの有無を見ます。「メリット」「注意点」「まとめ」を並べただけなら、その中で読者が何を判断できるかを具体化します。
公開前に、タイトルと答えを照らし合わせる
- タイトルが約束している問いへ、本文が直接答えているか。
- 「手順」と言いながら、製品紹介だけになっていないか。
- 重要な条件や対象者が、本文の奥に埋もれていないか。
- 根拠のある説明と、編集側の提案が区別されているか。
- 既存のページと同じ結論・具体例を繰り返していないか。
検索から来た人にも、AI検索を通して一部の説明を読んだ人にも、何について、どの条件で答えている文章かが伝わる書き方を目指します。ただし、こうした編集だけで、AI検索への引用や問い合わせが保証されるわけではありません。
公開後は、読者の行動と照合して直す
記事を読まれた回数と、相談につながった回数は別です。記事の役割に合わせて、資料への移動、関連記事の閲覧、具体的な相談内容などを確認します。
閲覧があるのに相談内容が合わない場合は、読者設定や次の案内にずれがないか見直します。訪問や引用だけを成果の全体として扱わず、どんな課題を持つ人に役立ったかを残してください。
AI検索に引用されるための特別なマークアップを追加することより、読者が本文を理解でき、検索から到達できる状態を整えます。GoogleのAI機能に関する公式説明では、通常のSEOの基本を引き続き適用するとされています。引用や掲載は保証されません。
観察した事実と、記事にする判断を分けて記録する
検索結果の観察表には、ページが実際に提供している内容を書きます。「読者は絶対に無料ファイルが欲しい」と気持ちを断定せず、「テンプレートを掲載した解説が見つかった」のように、確認できたことと解釈を分けます。順位を記録する場合も、広告や別の検索機能を混ぜず、どの条件で取得した値かを残します。
2026年10月20日に日本語でイベント進行表の関連語を調べ、閲覧した資料には次のような違いがありました。これは二つの資料を読んだ観察であり、検索結果全件の構成比や固定の順位を示すものではありません。
| 確認したページ | 本文で観察したこと | 記事設計への示唆 |
|---|---|---|
| トーガシのイベント進行表解説 | 定義、台本との違い、準備から片付けまでの表を掲載 | 意味だけでなく、実際に作るための項目が必要と考えられる |
| Atlassianの進行表テンプレート | イベントのタスクや担当を管理するテンプレートを案内 | 完成した文書だけでなく、担当が使う運用の形も比較対象になる |
この観察からMakeAIの記事を設計するなら、社内イベントの進行表を自分で作る担当者へ対象を絞り、入力条件、完成表、担当の合図、遅延時の変更を示す案が考えられます。競合の表を写すのではなく、自社で説明できる別の教材と判断条件を用意します。「進行表」という短い語には別の用途もあるため、イベント用途を本文とタイトルで明確にします。
観察を残すときは、検索語、確認日、検索した言語、閲覧URL、ページの種類、提供物、対象者、確認できなかったことを記録します。取得環境から国や地域を確定できなければ、推測で「日本・東京」と埋めず未指定とします。地域をそろえた順位調査が必要なら、条件を指定できる方法で別途確認します。
意図が混在するときは、全部を一本に詰め込まない
「AI議事録」のような広い語では、作り方を知りたい人と、製品を選びたい人の両方が考えられます。自社に入力・出力の検証材料があっても、最新製品を同条件で比較した材料がないなら、いきなりランキング記事を作る理由にはなりません。担当する意図と、今回は答えない意図を設計書へ書きます。
| 見つかった意図 | 自社の材料 | 今回の扱い |
|---|---|---|
| 文字起こしから議事録を作る | 入力例、依頼文、確認表がある | 手順記事の中心にする |
| 製品の料金を比べる | 全製品の最新条件を未取得 | 比較結果を作らず、選ぶ際の確認項目までにする |
| 聞き取れない箇所を直す | 不明箇所の扱いと照合方法がある | 基本の説明から固有の詳細記事へ案内する |
| 導入を外部へ依頼する | 自社の実際の支援範囲がある | サービスページで条件を示す |
記事を分ける場合は、「別の記事でしか完成させられないもの」を一文で説明します。製品名だけを変えた同じ手順なら、既存記事を更新する方が読者にとって分かりやすい場合があります。担当URLの重複を整理する際は、カニバリを防ぐ管理表へ判断理由を残します。
検索数の大小と、記事にする理由を分ける
検索ボリュームは、検索者の人数や自社へ来る人数ではありません。近い表記にそれぞれ数値が付いていても、単純に足すと同じ需要を重ねて見積もる可能性があります。値が返らない語と、推定値が0の語も区別します。検索数だけで、具体的な業務の困りごとが存在しないとは判断できません。
企画の比較では、事業との接点、既存記事の材料、現在の検索表示、必要な追加調査を並べます。需要が大きい語でも自社に根拠がなく、製品比較が主な意図なら調査負担が大きくなります。反対に小さな語でも、問い合わせで繰り返し聞かれ、実務の完成例を示せるなら、既存記事の節として丁寧に答える価値があります。
企画の採否を残す欄
候補の検索語:
観察した主なページの種類:
自社が答える具体的な疑問:
読者が持ってくる材料:
この記事で作れるもの・判断できること:
既存記事へ追記するか、新記事が必要か:
必要な一次資料・自社の検証:
まだ分からないこと:
今回優先する理由、または保留理由:
この欄の「作れるもの」が単に知識を得ることでも構いません。ただし、「RAGを理解する」より「社内検索とRAGの違いを踏まえ、自社で準備が必要な資料を選べる」と書く方が、必要な説明を決めやすくなります。読後に実際にできる行動まで言葉にし、見出しや事例を選ぶ基準にします。
設計書のレビューでは、タイトルを隠しても本文の到達点が説明できるか、冒頭の結論だけで対象と範囲が分かるかを確認します。観察した検索結果と方向が違う場合は、自社の読者に必要だから意図的に絞ったのか、調査を読み違えたのかを見直します。設計が固まったら、根拠と見出しを対応させる構成表へ引き継いでください。
仮説が変わったときは、タイトルだけで直さない
公開後に想定と違うクエリが出た場合、その語をすぐタイトルへ追加する前に、どの疑問で表示されているかを確かめます。たまたま一度表示された語と、継続して読まれる語では判断材料が違います。ページ別とクエリ別の一覧を眺めるだけで結び付けず、対象ページやクエリを絞った条件で確認します。
記事の中心を変える必要があるなら、読者の状況、到達点、必要な材料、次の案内までまとめて見直します。手順を知りたい人向けの記事へ「料金」を足しただけでは、費用を比較したい人の問いは解決しません。材料をそろえて別の担当ページへ案内するか、既存の役割を保って関連する短い説明だけを加えるかを決めます。
参考にした調査の論点
2026年9月7日の保存済み競合調査から、記事制作の品質管理と、検索・引用・事業成果を区別する観点を参照しました。記事設計書の6項目、仮想例、指示文はMakeAI独自の編集提案です。
- Taskhub:SEOコンサル・ツール開発事業でのAI活用の取材記事 — 制作工程と品質管理の論点。
- sai:AI検索における引用の観測レポート — 引用の観測結果と、因果・事業成果を区別する論点。
記事を増やす前に、サイト全体の役割を整理しませんか。
MakeAIでは、検索意図、既存ページとの重複、記事から相談までの導線を整理します。SEO・AIOの発信計画を、自社の支援内容に結びつけたい方はご相談ください。