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MAKEAI JOURNAL / ノウハウ

生成AI研修の事前アンケート|そのまま使える質問例と回答の活かし方

MakeAI編集部 公開 2026.09.26 更新 2026.10.20

AI研修の準備。現場の声から、設計する。MakeAI実務ガイド。

生成AI研修の事前アンケートでは、担当する仕事、困っている作業、AIの利用経験、受講後にできるようになりたいことを聞きます。回答を「研修で扱うこと」と「管理者が事前に整えること」に分けると、集計結果を教材と準備へつなげられます。

「AIについて何を学びたいですか」だけでは、研修の題材を決めにくいものです。「営業報告の文章を整えたい」のか、「社内規程を調べたい」のかで、使う材料も確認方法も変わります。この記事では、研修担当者がフォームへ転記できる質問例と、回答の読み取り方を紹介します。

質問票と以下の記入例はMakeAIの編集提案です。受講者の能力を採点する検定や、研修後の満足度調査とは目的が異なります。

事前アンケートで決めるのは、研修の出発点

事前アンケートの成果物は、回答のグラフだけではありません。「どの仕事を題材にするか」「どこから操作を説明するか」「何を準備してから当日を迎えるか」を決める短いメモまで作ります。

利用経験と学びたい内容を確認して研修を調整した例として、オカピー・パートナーズの研修実施記録があります。同社は事前回答を踏まえ、説明と実践の配分を見直したと報告しています。これは同社の実施例であり、同じ配分がすべての職場に合うという意味ではありません。

自社でも、回答者の人数と職種を一緒に見てください。営業から回答が多く、総務から少ない場合、全体の多数決だけで題材を選ぶと総務の困りごとが見えなくなります。

そのまま使える事前アンケートの質問例

以下の9問を基に、自社に不要な選択肢を削って使えます。職種や利用経験は選択式、困りごとは短い自由記述にすると、回答を分類しながら具体的な仕事も拾えます。

フォームの冒頭に置く説明

このアンケートは、生成AI研修の題材と事前準備を決めるためのものです。現時点の経験や困りごとを教えてください。回答は研修担当者と講師が確認します。顧客名、個人情報、契約書の本文などは記入せず、仕事の内容を一般化してお書きください。分からない項目は「不明」で構いません。

実際の閲覧者がこの説明と一致するよう、フォームの共有範囲も設定します。回答期限、問い合わせ先、個人を識別する情報の保存期間は、自社の運用に合わせて案内へ加えてください。

  1. 主に担当する仕事を教えてください。
    回答例:営業/企画・広報/総務・人事/経理/顧客対応/開発・制作/その他。複数の仕事を持つ場合は主なものを選び、補足欄へ記入してもらいます。
  2. 直近1か月で、生成AIを自分で操作した経験はありますか。
    回答例:ない/試したことがある/時々使う/継続して使う。利用した場面も「私用のみ/業務のみ/両方」から選んでもらいます。私用経験を業務利用の許可と取り違えないためです。
  3. これまでに、生成AIへ何を頼みましたか。
    複数回答例:文章の下書き/文章の整理・要約/アイデア出し/情報の調査/表の整理/画像・資料制作/使ったことがない。製品名を知っているだけか、具体的な作業を経験したかを分けます。
  4. 日々の仕事で、手間がかかる作業を一つ教えてください。
    自由記述例:「毎週、各担当の報告から社内向けの共有文を作る」。業務名だけでなく、何を材料に何を作る作業かを書いてもらいます。実際の文書を添付する必要はありません。
  5. その作業の、どこで特に手が止まりますか。
    回答例:材料を集める/要点を選ぶ/文章や表へ整える/誤りを確認する/関係者へ確認する/その他。一つ選び、具体的な場面を一行添えてもらいます。
  6. 研修後、どんな成果物を一つ作れると役立ちますか。
    自由記述例:「上司が確認できる週次報告の下書き」。単に「AIを使いこなしたい」と書かれた場合は、成果物を例示して追加確認します。
  7. 生成AIを使ううえで、確認したいことは何ですか。
    複数回答例:指示の書き方/入力してよい情報/回答が正しいか確かめる方法/使ってよいツール/社内の質問先/特になし。この回答は本人の認識であり、会社の正式なルールを確定する回答ではありません。
  8. 当日の操作環境について、現時点で分かることを教えてください。
    回答例:指定の端末とアカウントを利用できる/端末はあるがアカウントが不明/準備が必要/まだ案内を受けていない。パスワードやログイン情報は入力させません。
  9. 講師に伝えておきたいこと、進め方で希望することはありますか。
    任意の自由記述。操作の説明をゆっくりしてほしい、実際の仕事に近い例を見たい、といった希望を集めます。回答しないことも選べるようにします。

受講者の回答と、管理者が確かめる事実を分ける

「使ってよいと思う」という回答を、そのまま利用許可として扱うと、研修の前提がずれます。受講者には経験や認識を聞き、環境やルールの確定は担当部署へ別に確認します。

受講者から得る情報 管理者側で確定すること
使ったことがあるツール 当日に使うツールと契約・利用条件、アカウントの用意
入力情報に対する不安 教材へ使える情報の範囲と、架空データに置き換える箇所
端末・接続についての自己申告 実際の会場や端末で操作できるか、接続確認の担当者
分からないときの質問先の認識 研修当日と研修後の質問先、対応する範囲

不明な項目には、確認する人と期限を付けます。事前アンケートを回収したことと、当日使える環境が整ったことは、別々に確認してください。

集計した回答を研修へ反映する方法

まず職種ごとに、回答数、具体的な困りごと、利用経験、環境の未確認事項をまとめます。少人数の部署は、割合だけでなく「回答2人中1人」のように人数も残すと、判断の根拠が見えます。無回答は「困りごとなし」へ含めません。

次の表は、回答から準備事項を決める仮想例です。実際の受講者を調査した結果ではありません。

回答の組み合わせ 研修へ反映すること 当日前に残る確認
営業:文章作成の経験はあるが、報告の要点を選べない 文章を長く生成する練習より、報告に残す事実を選び、出典と照合する練習を候補にする 社内報告の必須項目を現場責任者へ聞く
総務:利用未経験で、社内案内の下書きを作りたい 基本操作を説明し、架空の案内条件から下書きを作る流れを候補にする 指定アカウントで操作できるか確かめる
複数職種:入力可能な情報が分からない 教材の冒頭で、研修中に使う情報の範囲を説明する 社内ルールを確認し、未承認の実データを教材に使わない

回答が割れたときは、全員に共通する操作と、職種で異なる題材を分けて考えます。ただし、自己申告で「継続して使う」を選んだ人にも確認方法の理解に差があり得ます。経験の頻度だけで説明を省くと決めず、研修冒頭の短い確認で調整できる余地を残します。

最後に、研修担当者が一枚のメモにまとめる

対象:[参加する職種・人数]
回答状況:[対象人数/回答人数、未回答の職種]
優先して扱う仕事:[材料 → 作りたい成果物]
参加者の出発点:[経験の分布、操作で補助が必要な点]
共通して確認すること:[入力範囲・出力の確認方法など]
当日の準備:[端末・アカウント・教材]
未確定事項:[確認事項/確認する人/期限]
今回は扱わないこと:[別途相談や次の研修に回す内容]

このメモを現場責任者と講師で共有し、実際の仕事に合っているか確かめます。研修後に使われない理由を調べたい段階なら、AI研修後の定着・効果測定ガイドで、業務への組み込み方から確認できます。

9問をフォームへ移すときの設定例

質問文が決まったら、回答形式と集計単位をそろえます。自由記述を増やせば詳しく聞ける一方、回答者にも集計者にも負担がかかります。次は前の9問をフォームへ移すための設定案です。必須・任意は例なので、自社で回答が必要な理由を確認して選んでください。

設問 回答形式の案 集計で使う情報
1 主な仕事 単一選択を必須、補足は任意 職種別の回答数
2 利用経験 頻度と利用場面をそれぞれ選択 操作支援の必要性を確かめる材料
3 経験した作業 複数選択。「未経験」は他項目と併用しない 題材の経験。選択数と人数は区別
4 手間がかかる作業 一件の短い自由記述 入力と成果物が分かる業務候補
5 止まる工程 単一選択と任意の補足 演習で練習する行動
6 作りたい成果物 短い自由記述。「未定」も可 研修後の到達点
7 不安や確認事項 複数選択、補足は任意 共通説明と管理者への確認
8 操作環境 単一選択。「不明」を用意 当日までに必要な準備
9 希望 任意の自由記述 進行や配慮についての相談

利用経験がない人に、経験した作業を詳しく書くことを強制しないようにします。フォームの分岐機能を使わなくても、「未経験の場合は未経験を選んで次へ進む」と明記できます。「その他」には任意の補足欄を付け、選択肢にない仕事を拾います。回答項目を増やすときは、その答えを教材や準備のどこへ使うかを先に決めてください。

架空の8人チームで、6人の回答から研修内容を決める例

以下は集計方法を説明するための架空例です。対象は営業4人、総務4人の計8人で、回答は6人、未回答は2人とします。実際の調査結果やMakeAIの研修実績ではありません。

職種 対象と回答 利用経験 回答から見えた作業
営業 対象4人、回答3人 未経験1人、試した2人 商談メモの整理2人、提案条件の整理1人
総務 対象4人、回答3人 未経験2人、継続利用1人 社内案内の下書き2人、手順の検索1人
計 対象8人、回答6人、未回答2人 回答者では未経験3人、試した2人、継続1人 未回答者の困りごとは未確認

回答者6人のうち3人が未経験だからといって、全8人の半分が未経験と断定しません。未回答2人の状態は分からないためです。割合を出すなら「回答者6人中3人」と母数を付けます。質問7のような複数回答は一人が二つ以上を選べるので、選択件数の合計が6を超えても、そのことだけで集計ミスにはなりません。

この例では、短い記録から必要な条件を残す練習が営業・総務の両方に共通します。一方、社内手順の検索には資料の準備が必要です。90分の研修なら、共通の基本操作15分、情報の入力範囲と確認方法15分、架空の短い記録を使う演習30分、照合と修正20分、持ち帰りの整理10分という案が考えられます。この時間配分は編集案で、受講者で実測した結果ではありません。

少数の「手順の検索」という要望を消す必要はありません。「資料を準備できていないため今回の共通演習では扱わず、準備項目を個別に整理する」と理由を残します。多数派に合わせたことと、少数意見が不要だったことは違います。今回は扱わない要望にも、確認先や次の扱いを記録します。

未回答と曖昧な回答を、無理に分類しない

「いろいろ効率化したい」という回答を、集計者が「メール作成」と決めつけないようにします。追加で確認できるなら、「直近で時間がかかった作業を一つ」と聞きます。確認できなければ「具体業務未確認」と残し、明確な回答だけを使って案を作ります。無回答も「不安なし」「希望なし」へ変換しません。

講師へ渡す設計メモ(上の架空例)
対象:営業4人、総務4人
回答:6人。未回答2人の経験と環境は未確認
共通の到達点:短い記録から、確定条件と未確定事項を分けて説明する
題材:顧客情報を含まない架空の報告と社内案内
補助:未経験者向けの操作カード、確認項目の一覧
追加課題:共通課題を照合した人向けの条件変更
管理者の残件:指定アカウント、入力範囲、未回答者の環境確認
今回扱わないこと:社内文書への接続や本番での自動処理
終了時に見るもの:下書きと、元資料を使った照合メモ

AIに分類を補助させる場合は、回答番号と原文を残し、分類の根拠をたどれるようにします。一つの自由記述に二つの業務が含まれていれば、複数分類を許すか、主な一つを確認するかを決めます。分類数を回答人数と混ぜず、最終的な研修テーマは担当者が原文を読んで選んでください。

配布前には、設問1から9までを自分で一度回答してみます。未経験、環境不明、自由記述なしの人でも最後まで進めるか、選択値が集計しやすい形で保存されるかを確認します。回収後は回答数だけで準備完了とせず、講師に渡すメモまで作り、業務に合う演習テーマへ落とし込みます。

よくある質問

記名式と匿名式は、どちらがよいですか。

個別の操作支援が必要なら記名式が便利ですが、不安や経験不足を答えにくくなる可能性もあります。部署単位の教材設計が目的なら、職種と経験だけを集め、個別相談の連絡先は別欄で任意にする方法があります。少人数の職種は匿名でも本人が推測されるため、集計結果の共有範囲も決めてください。

何日前に配布すればよいですか。

集計、追加確認、教材修正、操作環境の確認を終えられる日から逆算します。例えば研修2週間前に配布し、1週間前を回答期限にするのは日程案の一つです。アカウント申請などに時間がかかる職場では、さらに前へずらします。

回答をAIに集計させてもよいですか。

社内で認められた環境と情報の範囲で、自由記述を分類する補助に使えます。氏名や取引先名などを含めたまま外部へ渡さず、集計者が元の回答と照合してください。少数意見の削除や、書かれていない困りごとの推測をさせないようにします。

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職種ごとの回答は集まったものの、題材や到達点を決められない場合は、整理したメモを基にご相談いただけます。MakeAIの法人向けAI研修では、業務に合わせた演習と、現場で使うための進め方を設計します。

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